今日の房総は一日中雨。これまでに播種したレンゲやナバナの発芽にとっては好都合なのですが、台風の進路によっては大雨が予想されるとのこと。ちょっと気がかりですね。
9月からの秋口といえば、ハチが攻撃的になる季節です。平地の野外調査ではオオスズメバチにちょっと注意が必要です。
今日は、家の庭に生息するハチについて紹介します。
下の写真は家の庭にある井戸と井戸神様を奉る祠です。
この写真の中にハチの巣があるのですが、みなさんわかりますか?
ちょっと、この写真で巣を見つけるのは難しいですね。
それでは、祠の後ろのサツキの植え込み部分を拡大してみます。
画面中の右上あたりに巣があるのがわかりますか?
では、巣を拡大してみましょう。
このハチは、セグロアシナガバチという種類です。平地に生息することが多いアシナガバチです。
ワーカー(働き蜂)を拡大してみました。
体長21~26mmで、セグロアシナガバチはキアシナガバチとならんで、日本で最大のアシナガバチの1種です。
性格はおとなしく、巣にちょっと近づいたぐらいでは襲ってきません。
写真中央部の顔面がちょっと白っぽいハチは雄です。
この雄のハチには針がありませんので、刺される心配はありません。ハチの針は卵を産むための産卵管が変化したものだからです。
アシナガバチの仲間は蝶や蛾の幼虫(アオムシやケムシ)を自分たちの子供の餌にします。
圃場でこの害虫を食べてくれるアシナガバチが飛んでいる姿を見つけると、「お疲れ様です!」と声を掛けたくなります。
ただ驚きなのは、同じ蛾の仲間で、アシナガバチの巣に寄生する種類がいるのです。今回紹介したセグロアシナガバチには、ウスムラサキシマメイガという蛾が寄生することが知られています(詳しくはこちら)。 ウスムラサキシマメイガの写真はこちら。
ごく普通の家の庭ですが、いきもの達の色々なドラマが繰り広げられているんですね。
コメント
昆虫の世界の相互依存関係は、非常に興味深いですよね。蛾を餌にするアシナガバチが、実は、違う種類の蛾に利用されている・・・ ピラミット構造ではなく、複雑なネットワーク構造になってるというのが、なんとも”ドラマ”ですね。
しかし、蜂と言えば、中国地方のとあるキャンプ場での”ぬーさん蜂刺され事件”を思い出さずにはいられません(苦笑)。あの時は若干、ビビりました。あの時は、確かキイロスズメバチでしたね。
ネットワーク構造というところがミソでしょうね。
フィールドで様々なドラマを感じ取り、そのことをみんなに少しずつでもお伝えしていければいいなと思っています。
中国地方でスズメバチに刺された時にはびっくりしましたね。あの時は本当、お世話になりました(^_^;)
その時は刺された腕の肩口まで発疹が出たので、次はちょっと注意しなければならないですね。