モミが優占する林の林床で花を開く、シュンラン属のランの1種、マヤラン(Cymbidium macrorhizon)。
東洋蘭のシンビジウムの仲間といった方が、わかりやすいかもしれませんね。
一見すると普通の植物のようですが、よくみると葉がありません。このマヤランは、植物なのに自分で光合成をすることをやめてしまい、土の中にいる菌類(外生菌根菌)から有機物を得て生活しているという、面白い生態があることが知られています。
外生菌根菌は樹木と共生関係を結び、上層の樹木から有機物の供給を受けていることから、マヤランは、外生菌根菌を通じて、上層の樹木と有機的なネットワークを形成していることになります。
このマヤランが咲くのは、これらの生きもののつながりが保たれている証拠、とも言えるわけです。
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