ほんまる農園の田植えも無事に終わって、はや二週間がたとうとしています。
稲の苗も田んぼにもしっかりと根付いてくれて、順調に生育が進んでいます。
五月の晴れた日の早朝に、のどかな田園風景の中を散歩するのはとても気持ちのいいものです。
気分がよくなったので、つい、田んぼの中にまで入って散歩してしまいました。
というのは冗談で、農薬を使用しない稲作りで最も大事なお仕事をしている最中なんです。
田靴(田んぼの中に入る専用の長靴)を履いて田んぼの中に入り、”何か”を引いています。
その引いているものはこちら。
実はこれ、田んぼの雑草を退治してくれる秘密兵器なんです。鉄のポールにチェーンをのれんのようにたるませて固定し、ロープでひっぱれるようにしたもの。 ホームセンターで材料(ハウス用ポール3.6m、鉄製チェーン7.0m、トラロープ)を買ってきて自作しました。
これを田んぼの中でひっぱると、下の写真のようにチェーンの重みで土の表面が攪拌され、芽生えたばかりのコナギやヒエ等の雑草を退治する仕組みです。
秘密兵器と呼ぶには、材料がチープで(総制作費¥2000ちょっと、安!)、いささか華がなさすぎるような気がしなくもありませんが、実はものすごい性能との情報を聞きつけ、今年から採用してみることにしました。ちなみに業界では”チェーン除草”と呼ばれています。現時点では、まだ、その”秘密兵器”の効果を実感できていないのですが、今後の経過を注意深く見守っていきたいと思います。
農薬を用いて雑草を根こそぎ殲滅するのではなく、このような手軽な機具で雑草の生育を妨げ、折り合いをつけることができたら最高なのですが・・・。まあ、相手(=雑草)は非常に手強いので、なかなかそんな悠長なことをいっていられない部分があることも事実なんですけどね。
チェーン除草の最中に、水田の中でこのようないきものを見つけました
ミズカマキリ(Ranatra chinensis)です。水田を代表する昆虫の1つです。自分のうちの田んぼでこのようないきものに出会うと、とてもうれしくなります。
皆さんにお届けするお米を生産することを通じて、このようないきものの住む環境を育んでいきたいなと思っています。
コメント
ぎゃー!重そう。
あまりもぐらない田んぼのようですが、これ重労働ですねえ。
あまり関係ないことですが、米作りを体験してみたり手伝ったり、湿地をズボズボ歩いたりしているわけですが、本業の人は田んぼの中を歩くのがエラく早いのに驚いたのを思い出しました。
これは目から鱗の発想ですね~!肉を切らせて骨を断つ!?
農薬を使用しない稲作りは本当に大変なことだと思うけど、
この秘密兵器が功を奏するといいですね(^_^)v
ぬーさんのことですから、コドラートつくって植生調査も
しているのかな?
データとって学会発表もいいのでは(^.^)
実務と研究は近いほど意義深いですから。
道具による除草といえば、「夏子の酒」で、夏子がブラシ
みたいな道具で除草していたのを思い出しました。
『有機農業とは勇気のいる農業! 勇気が出る農業!』
玄関マットさん
実は、この除草機、思ったほどには重くありません(良い筋トレにはなりますけどね)。
水田の中に分解されていない稲のわらなどがあるとそれがひっかかり、引っ張ることができなくなるそうですが、うちの田んぼでは幸い大丈夫です。
冬将軍さん
調査の方は少しずつはじめていますが、まだまだですね。
夏子の酒といえば、個人的には、「龍錦」のモデルとなった亀の尾という品種が思い浮かびます。
チェーン除草がうまくいって、ブラシによる除草をしなくてすむといいんですが。
なるほど.すると,不耕起水田ではつかえない器具ですね.
不耕起水田の場合,底生生物の働きでゆるゆるの,雑草が定着できない層ができると聞いているので,むしろ不要と言えるのかしら.
紙マルチとかチェーンとか,雑草との戦いには創意工夫がいっぱいですねえ.