南房総にも”クマソ”がやってきた

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クロマダラソテツシジミ(Chilades pandava)(愛称:クマソ)という蝶が南房総にやってきました。

上の写真は館山市の海岸付近で観察された個体です(お米の営業の帰り道に撮影しました)裏面の黒斑が目立たない低温期のタイプでしょうか?

アジアの亜熱帯から熱帯地域に分布するチョウ で、日本ではこれまで1992年に沖縄、2001年に与那国島で一時的に繁殖した記録が見られたのみの迷蝶でした。しかし、2006年に石垣島で確認されて以降、この蝶が観察される地域が北上しつつあります。そして、とうとう2009年には東京や千葉県でもこの蝶が観察されました。

食草はソテツで、 わずか2週間ほどで卵から成虫へと成長します。

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1つの葉っぱに5匹程度の成虫が集まっているソテツの個体も見られました。

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南房総地域のクロマダラソテツシジミの分布に関しては安房生物愛好会の方々による調査が進められています(参考記事)。

この熱帯地域に分布する蝶が北上している理由としては、地球温暖化の影響や蝶自身の耐寒性の獲得等の様々な理由が考えられます。北上のメカニズムに関する今後の詳細な調査・研究が待たれます。

わずか3cm程度の小さな蝶ですが、 その動向に着目していきたいと思います。

コメント

  1. 冬将軍 より:

    クマソが攻めあがってきた!(笑)
    ヤマト王権に抵抗した、あのクマソ一族かと思いました。

    羽裏の赤紋の先にあるぴょんぴょんしたのがキュートな蝶ですね~。

    低温期と高温期で模様が若干違うんでしょうか?
    面白いですね。

    虫や動物は温暖化とともに移動していけますが、
    植物はその遷移スピードがとてもゆっくりなので、
    農業などは特に深刻な問題かと思います。

  2. ぬー より:

    冬将軍さん

    ”クマソ”ですが、昨年から今年にかけて、まさに一気に北上して攻めあがってきました(笑)。
    地元ではソテツの栽培も行われているので、影響が心配されています。

    クロマダラソテツシジミの場合、高温期はその名前のとおり、黒い斑点が非常に目立ちます。ブログで紹介した個体は斑紋が目立たず、少し白っぽいです。

    温暖化などの気候の変化が農業に与える影響はとても大きいです。その変化に”しなやかに”対応することが今求められていますね。他地域の研究機関の情報を集めたり、南房総地域での栽培経験が豊富な親父のアドバイスを参考にしながら、なんとかやっています。

  3. サワガニご飯 より:

    ソテツを食らうなんて、ガッツがある蝶だね。
    なんかうちのお父さんが調べてるみたいね。
    どんな調査結果になるんでしょう。

  4. ぬー より:

    サワガニご飯さん

    調査をされている方がお父さんでしたか!
    びっくりです!
    調査によれば、10月初旬の時点で金谷まで分布が北上しているそうです。

    先週の後半からうちの庭先でもこの蝶がたくさん乱舞するようになりました。
    先日写真を撮ったのでその様子をアップしますね。

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