南房総の紅葉も一段落して、落ち葉の季節となりました。
さて、上の写真の落ち葉の中にはある”いきもの”が隠れています。皆さんわかりますか?
答えは・・・
そのいきものは、赤い円の中にいます。
それにしても見事な擬態です。一見しただけではわからないですね。
このいきものは、クロコノマチョウといいます。
現在、分布域を北に広げつつあるジャノメチョウ科の蝶です。
分布域の拡大の様子は自然環境保全基礎調査の結果をみるとよくわかります。
1986年の分布域(※冊子全体のpdfファイル(19,170Kbyte)が開きます。p285に分布図があります)
1986年には静岡県までしか分布していなかったのが、1994年には千葉県の房総半島南部にまで分布が拡大しています。現在では茨城県や栃木県などの北関東でも見かけるようになりました。
クロコノマチョウの他には、ナガサキアゲハ、ムラサキツバメ、ツマグロヒョウモンなどが分布域を北方に拡大していることが知られています。
環境の変化にともなって、いきものの分布域も変化しているんですね。
コメント
動物、鳥類、昆虫などは変化する環境に応じて、
比較的移動は簡単なので、分布域を変化させることができますが、
植物はなかなか移動できないので大変です。
農作物はその変化した環境にあったものをつくるという手も
無いことも無いでしょうが、ことはそう単純ではないですよね。
環境の変化には自然なものや人為なもの、いろいろ
あるだろうけど、まずは周囲の生物のモニタリングで、
変化をいち早く察知することって大切なんじゃないかな~
と思いました。
冬将軍さんのおっしゃるとおり、いきもののモニタリングはこれからますます大切になってくると思います。