パッションピンクのすらりと長い脚。そして、お腹の”白い部分と翼の黒い部分のコントラスト。
この鳥は、セイタカシギ(Himantopus himantopus)といいます。干潟、湿地、池沼や水田等で見られる鳥です。
この美しい姿から、「水辺の貴婦人」とも称されます。
今朝の8時過ぎに、百姓の大先輩である、うなうさんから、「セイタカシギがいるよ!」とご連絡を頂き、現地へと向かいました。
うなうさんは、野鳥にとても詳しい凄い方でいつも色々な情報を教えてもらいます。どれくらい凄いかは、”自分の畑でヤツガシラを撮影できる”ぐらいといえば、わかる人にはわかるでしょう。
セイタカシギがやってきた水田です。まさに春の里山といった情景の場所です。南房総ではいたって普通の情景ではありますが・・・。
このセイタカシギ、かつては、本当に極稀にしか見られなかった迷鳥だったのですが、1970年代後半から東京湾や愛知県で繁殖・越冬する個体が現れ、近年では全国各地で渡来が確認されています。そうはいっても、どこでもすぐに見られるといった鳥ではなく、環境省のレッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
うなうさんとも合流して、一緒にセイタカシギを観察することに。うなうさんは、軽トラックにいつも積んでいるプロミナで、自分は双眼鏡で観察しながら、撮影をしました。
今回観察したセイタカシギは全部で9羽。
田んぼの畦や水田の泥の中に嘴を入れて、土の中の小動物を食べています。
田んぼの畦に一列になって餌を取っているセイタカシギ。
よく見ると、毛色の違う個体が混じっているのがわかります。
まずは、こちら。
翼の黒が濃くて光沢があるこちらの個体がオスです (上の写真)。
胸の白い部分もよくみると、淡いピンク色になっています。自宅に帰って図鑑で調べてみると、繁殖期前にこのような色になるとのこと。
翼の色が黒褐色のこちらの個体がメスだと思います(実は、若鳥が成鳥のメスとよく似ているため、区別をつけるのが難しいのです)。
たらふく、餌を食べ終わると、片足立ちで丸まって、お昼寝の時間。
この日は風が強かったので、ときおり風にあおられて、”おっとっと・・”と言わんばかりに翼を広げてバランスを保ちます。そんな時でも、片足立ちをやめない”ずぼらさ”にも好感がもてますね。
自分たちの地区内の田んぼにこのような鳥がやってきてくれて、正直とてもうれしいです。渡りの途中で一時立ち寄っただけなのか、それともこの近辺で繁殖をするのか、とても気になります。
日々の中で、このようないきものと出会い、その楽しみを共有することができる場があるのは、とても幸せなことだと思います。この楽しみを色々な人に伝えていきたいですね。
コメント
いや、さすがに綺麗な写真を撮るなあ!
今日はもう見なかったので、他へ行ってしまったのだろうか?
また来るといいね♪
セイタカシギは昔、憧れの鳥でした。日本でも繁殖することが見られ、谷津干潟ではその美しい姿はバードウオッチャーを増やしたものでした。今回のブログアップはその魅力をあますところなく、捉えていると思いました。最後の絵はとてもキュートでした。また、鳥見に行きたくなりました。ありがとうございました。
こちらのURLは「ダーウィンが来た!」ですか!?
なんだかホント写真がいいですね!
動画じゃないのに、セイカタシギの動きが見えるようです。
鳥見は素人ですが、
”自分の畑でヤツガシラを撮影できる”ぐらい
これのすごさはなんとなくわかりました(^^)
チャアさん
今回は本当にありがとうございました。
今日見てきましたがやはりいませんね。
本当にまた来てくれるとうれしいです。
ブルドックさん
コメントありがとうございます。うれしいです。
鳥見って本当に面白いですね!
冬将軍さん
この写真を撮影した日が雨上がりの曇天で、光の具合がちょうどよかったのが幸いしました。
>動画じゃないのに、セイカタシギの動きが見えるようです。
できるだけその場にいて見たような記事にしたいと思っているので、うれしいです。