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早春の草地・林縁に下向きの小さな花を咲かせるヒメウズ(Semiaquilegia adoxoides)。
とっても小さな植物で、この植物があるはずと思いながら現場を見ないとなかなか気づかないかもしれません(実はそのようないきものってすごく多い)。指の大きさと比べるとその小ささがわかると思います。
図鑑に掲載されているような構図で1枚。
奥に見える3出複葉の葉は、園芸品種としてよく栽培されているオダマキの葉っぱにそっくりです。
小さな花の構造もよく見ると、とても味わいがあります。
外側の薄ピンクを帯びたものは実は萼片で、内側の黄色味を帯びた5枚が花弁となります。
花の中央部に、4つの雌しべの先っぽ(柱頭)があるのがわかります。花の奥に見える黄色い丸いものは雄しべです。4つの雌しべは、花を分解して見てみると、お互いが合着することなく、寄り集まった構造をしています。これは、キンポウゲ科の植物の花にはよく見られる構造で、原始的な花の構造としてよく知られています。(植物用語に関する参考ページはこちら)
東京に住んでいた頃は、それなりの環境の場所に行かないと見つからない植物でしたが、ここ南房総では普通によく見かけます。
2月は南房総観光のトップシーズン。海岸沿いのお花畑だけではなく、こんな小さな花も見ながら、春を感じてもらえたらうれしいです。
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