最近、よく今年はトンボの数が多いと耳にします。このトンボは種類は何?と聞かれることが多いのですが、その正体はウスバキトンボ(Pantala flavescens)。
翅に模様が無く、後ろの翅の基部が内側へ大きく広がるのが特徴の1つ。すべてのトンボの中で最も分布域が広いと言われています。
南房総には、5月のGWあたりに、風にのって、南西諸島などの南方からやってきます。そして、田んぼ等の水場でただちに産卵をします。卵には休眠性がないので、すぐに成長し、1ヶ月程度の短期間で羽化します。今、たくさん見ることができるウスバキトンボの多くは、この南房総で育った世代というわけです。
そして、夏の気温が高い間に、繁殖して数を増やしながら北へ北へと移動していくのですが、冬は越冬できないのですべてがいったん死滅してしまいます。次の年は、また新しい個体が南方から風にのってやってきて・・・の繰り返し。
極めて普通にみられる身近なトンボにも、おもしろい生態が隠されています。
コメント
アキアカネが黄色くなってしまったわけではないんですね(^^;
特に長野ではトンボを多く見かける感じはしないなぁ・・・。
もともと温かい地域の種類なので、長野までは移動していないのかもしれませんね。