初乳のカッテージチーズとトマトのサラダ

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うちには、親父が世話している7頭の牛(ホルスタイン)がいます。8月にそのうちの1頭にお産がありました。

お産が無事に終わると、生まれた仔牛にはすぐに(30分以内!)母牛の初乳を飲ませます。生まれたばかりの仔牛にはもともと免疫機能が備わっておらず、母牛の初乳を通じて免疫グロブリンという抗体が供給されるからです(これを移行免疫といいます。ちなみに人は胎盤を通じて抗体は伝えられます)。

初乳は普通の牛乳と比べて、色が黄色く、タンパク質などの成分が濃く含まれています。そのため、最初は、熱を加えるだけで、凝固して固まり、豆腐のようになります。日が経ってくると熱を加えるだけでは固まらないので、酢を少量加えて凝固させたりもします。

これが、初乳のカッテージチーズです。地元では、タマネギなどと一緒に甘辛く煮て、卵でとじた”親子丼風”の食べ方が好まれます。スライスしてそのまま醤油をつけて食べても美味しいですね。

うちの集落でも、昔はほぼすべての家で牛を飼っていて、牛が身近にいる生活がごくごく普通の日常風景でした。そのような背景もあって、地元のご年配の方々には、この初乳のファンの方が非常に多く、初乳はすぐにもらわれていきます。今では、集落で牛を飼っているのはうち1軒のみとなってしまいました。

今回の初乳のカッテージチーズは、ミニトマトと一緒にサラダにしてみました。ほのかに乳の香りがする、すっきりとした味わいのカッテージチーズとトマトの酸味との相性も抜群で、暑い夏にぴったりの一品となりました。

コメント

  1. 冬将軍 より:

    カッテージチーズは手軽につくれておいしいものですが、初乳はレアですね~。まさに牛を飼っている人に与えられた特権のようなものかも。

    それにしても30分以内に初乳を与えなければならないって、結構ドキドキしますね。わずか30分でもう何らかの感染リスクがあるってことですか?牛も大変だ。

    • ほんまる より:

      冬将軍さん

      移行免疫の機能ってよくできていて、仔牛の腸管から免疫抗体を吸収する能力が機能するのは出生後4時間ぐらいまでで、その間は消化酵素の分泌が抑えられて、タンパク質が分解されないようにしているそうです。厳密に30分というわけではなくて、これぐらいの時間の余裕はみていいのかもしれません。感染リスクはあるので、早いに越したことはないとは思います。

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