南房総の5月初旬の花といえば、これでしょう。
ハマウツボ(Orobanche coerulescens)です。
植物観察のために南房総を訪問中の大学研究室の先輩達と合流。夕方前の短い時間でしたが、一緒に自生地を回ってきました。
ハマウツボは海岸近くの砂浜や砂地で見られ、 毎年5月の初旬〜中旬にかけて開花します 。ヨモギ属のカワラヨモギ(Artemisia capillaris)(左側の緑色の植物)に寄生している寄生植物です。 カワラヨモギもちょうど新葉を展開し始めたばかりでこちらはこちらで美しい 。
茎に白毛が多いこともハマウツボの重要な特徴の1つ。カワラヨモギではなく、オトコヨモギ(Artemisia japonica )に寄生し、より内陸に分布する茎の毛が少ないものを品種のオカウツボとして分ける見解もあります。茎の白毛の様子もわかるように深度合成で撮影しました。
まだ4月の後半で、ちょっと時期は早めかなという微妙な時期。しかし、現地に着くと、開花個体も複数見られ、すでにシーズンインを迎えていました。家の周りでよくみかける同属のヤセウツボ(Orobanche minor)とは違い、鮮やかな紫色の花が目をひきます。
海岸近くの砂地に成立した、草丈の低い自然草原がハマウツボの自生地。絶妙なバランスの上に成り立っている貴重な場所です。
2019年 4月 館山市
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