3月 09

花に吸い寄せられるミツバチやマルハナバチのような気持ちになって、そら豆の花を正面からアップで撮影してみました(実際には彼らは人間の見ることができない紫外線を見ることができるので、厳密にはこの写真と同一の光景を見ているわけではありませんが・・・)。
このように改めて拡大して見てみると、普段とは違った印象になるから不思議です。
ソラマメの花はとても特徴的な形をしていますね。
正面から見ると、白色の中に細い筋の模様が刻まれている”旗弁”と呼ばれる一番大きな花弁がとてもよく目立ちます。
同じ花を横から見てみます。

”旗弁”の下から、大きな黒斑がある”翼弁”と呼ばれる花弁が突き出ています。
昨年のブログでも紹介しましたが、このような形の花を”蝶形花冠”といって、マメ科マメ亜科の植物に特有な花の形です。
このそら豆の花ですが、品種によって花の色が異なります。上の2つの写真は”打越一寸”という品種のそら豆の花です。
”緑陵西一寸”というそら豆の品種の花はこちらです。

微妙に花の色合いが異なるのがわかりますか?
”旗弁”の色に着目すると、打越一寸の旗弁の色が白色なのに対し、緑陵西一寸の花の旗弁は薄紫色になっています。
野菜の花は自分で作らないとなかなか見ることができないものですが、よく見てみると色々な発見があっておもしろいです。
今度、是非、そら豆畑に行った際には、「この白い花は打越一寸の花だね!」等と言って、そら豆”通”ぶってみて下さいね。
3月 08

3月に入って、そら豆の花がきれいに咲きそろいました。
厳しい冬の寒さの中をじっと耐えてくれて、節間の詰まったがっしりとした枝が育ってくれました。アブラムシが着いている個体も今のところはごくわずか。とても順調に生育が進んでいます。
ここのところ、ずっと曇や雨の天候が続いていましたが、今日は雲が多いながらも時おり晴間が覗く良い天気。そこで、開花後の大事な作業である、”整枝”作業を行うことにしました。この整枝作業は晴天の日中に行うことが望ましいとされています。
”整枝”作業では、遅れて発生した短い枝やひょろひょろと徒長してしまっている枝を元から取り除きます(下の写真)。

それでは、整枝作業前のそら豆の株を上からみてみましょう。整枝作業前の株は、葉っぱが混み合っています。

静止作業後の写真がこちら。ずいぶんすっきりして、株元が見えるようになりました。

最終的に太くてしっかりとした枝8本程度を残し、それらの枝に太陽の光が十分にあたるようにします。
このようにすることで、豆の1粒1粒に十分に栄養がゆきわたり、充実したそら豆が収穫できるようになります。
これからの成長がとっても楽しみです。
3月 06

今日、3月6日は二十四節気の1つの”啓蟄”。
”啓蟄”とは、冬ごもりをしていた虫(蟄)が、穴から這い出てくる(啓く)頃のことを意味します。
ただ、今日の南房総はあいにくの冷たい雨。暖かい陽気の中、うちの圃場で虫たちの撮影をしようと思っていたのですが、見事にあてが外れてしまいました。
でも、せっかくの”啓蟄”なのだから”虫”を紹介するのが筋でしょうということで、今日の写真は2月に撮影したナナホシテントウ。
このナナホシテントウは寒さには強く、真冬でもちょっと気温の高い日の日中ならば、活発に動き回っている姿を普通に見ることができます。
逆に、暑い夏にはめっぽう弱くて、気温が25℃を上回る夏場には休眠してしまうという、面白い生態を持つテントウムシでもあります。

細い脚で踏ん張っている仕草が愛らしいですね。
また、このナナホシテントウは、アブラムシを食べてくれる農園の大切なパートナーでもあります。最近になって、このナナホシテントウは、アブラムシに食害されている植物から生産される匂い成分を感知できることがわかりました(参考文献①、参考文献②)。
植物が匂い成分を介してテントウムシを集めて、アブラムシ等の害虫から身を守っているとのこと。私たちは普段見ることができない方法で、植物と虫たちとのコミュニケーションがなされているのですね。
このような植物と虫たちとのやりとりを損なわずに、逆にそれらをうまく活かしていきながら、農作物を生産していけたらといいなと思う”啓蟄”の日でありました。
3月 05

あたらしい食のライフスタイル誌 「うかたま(2010年4月号)」(3月5日 発売)にて、ほんまる農園の嫁さんが紹介されました(「耕す女子たち」という連載です)。
取材当日は天候に恵まれ、すっきりとした青空の中で撮影が行われました。直前まで天候が悪い日が続いていたので、一安心といったところ。
嫁さんの音楽仲間や仕事仲間の方々が、当日多数駆けつけてくれて、とてもうれしかったですね。うちの農園で採れた野菜を使った料理を囲みながらの楽しい取材となりました。 (作った料理は紙面にて紹介されております)
1つの地域内に海と山(といっても丘陵地ですが)がコンパクトに詰め込まれているため、そこからもたらされる2つの恵みを同時に味わうことができるところが南房総の魅力の1つです。
そこで、今回の取材の際、南房総の美味しい海の恵みも是非紹介したいなと思い、嫁さんの仕事仲間の八代健正さんにご相談したところ・・・、

極上の釣りアジを持ってきて下さいました!!釣りアジとは、網で大量に捕獲されたアジではなく、丁寧に釣り上げられたアジです。

手馴れた手つきで、アジを捌き、調理している八代さん。無駄のない美しい動きは見ていて飽きません。庭木のセンダンの枝葉を使って、「アジのお造り」を作って下さいました。
南房総には、アジ等の魚をほうちょうで叩き、香味野菜、みそを加えて焼いた「アジのさんが」という郷土料理があります。下の写真はアジの身を包丁で叩いているところ。

八代さんが作ってくれたもう一品の料理は、叩いたアジの身を焼くのではなく、衣を付けて油で揚げた「アジのさんがの天ぷら」。これがまた絶品!!みんなで南房総のアジの旨さを堪能しました。(写真がないのが本当に残念でなりません)
あっという間に過ぎた取材の1日。色々な方々とのつながりを再確認させてくれた1日でもありました。
都会から田舎にやってきた嫁さんの視点から、南房総での農的暮らしの魅力を伝える内容となっておりますので、興味のある方は是非うかたま 2010年 04月号
を御覧頂ければと思います。
3月 04

気温が20℃を超えるようなぽかぽか陽気の日があったと思ったら、次の日は真冬のような寒さに凍える・・・そんな気温の変化が激しい日々が続いていますね。
ただ、行きつ戻りつがあっても、本格的な春が近づいて来ているのは、新玉ねぎの”玉”の部分が日に日に大きくなることや、圃場に生えているミドリハコベ、ホトケノザといった植物たちの急激な伸び具合から伺い知ることができます。
春が近づいて来ると楽しみになるのが山菜です。
独特の苦味と香りで春を感じさせてくれる山菜の代表格の1つがフキノトウです。

家のそばにある丘陵地の登山道の法面で見つけたフキノトウ。ちょっとつぼみが開き気味ですが、これくらいでも十分春の香りを味わうことができます。
今回、フキノトウの写真をじっくりと撮影してみて、蕾の造形の美しさを再認識させられました。今まで見過ごしていたようなことに気づくことも写真を撮る醍醐味の1つですね。
収穫したフキノトウはどのように調理したかというと・・・

パスタにしてみました。
大学の頃、先生が作ってくれたフキノトウとベーコンのパスタの美味しさが忘れられず、フキノトウが採れる時期になると必ず1回は食べる定番メニューです。上の写真のパスタは、嫁さんではなく自分が作りました(ベーコンの切り方が不揃いなのはご愛嬌ということで)。
さて、このパスタのレシピですが、作るのがとても簡単です。
- オリーブ油でベーコンとにんにくを炒めて香りをだす
- フキノトウを入れて軽く炒める
- 茹で上がったパスタを加えて、塩・コショウで味を整える
フキノトウが出回るこの季節、パスタで春の香りを味わってみてはいかがでしょうか。
3月 03

陶芸家の藤田さんから南房総で作品を焼いていますとのご連絡を頂いた昨年末。これは行くしかない!と、うちの農園から車で20分位のところの”平群”という地区にある藤田さんの窯を訪ねました。
窯に近づいていくと、太くてどっしりとした煙突から紅い炎がでているのが見えます。
出迎えて下さった藤田満さん(左端)、藤田純子さん(中央)とスタッフの方々です。昼組と夜組の2班で交代しながら、5日間ずっと休みなく薪を焼き続ける大変な作業を行っていました。

うず高く積まれた薪に囲まれた中に、穴釜がありました。この穴窯の中で作品が焼かれています。

使われている薪は、信楽から取り寄せた赤松の薪を主体に、地元の山から切り出した薪も用いているとのこと。
藤田さんの陶器の魅力は、これらの薪が燃えてできた灰が付着して器の素地の珪酸分が溶けてガラス化した自然釉の美しさ。
この自然釉の美しさを引き出すために、窯の中の状態を見極めながら、薪を投入して行く行程がすごいのです。
穴釜の中に設置された2個所の温度センサーの値に加え、穴窯の脇にある火吹き穴の炎の様子と・・・、

さらに、屋外に設置された大きな鏡から見える、外の煙突の炎・煙の様子を観察しながら、薪を投入するタイミング(大体5分に一回)と一回投入するのに必要な薪の種類と量を決定していきます。

まさに”炎”と対話しながら、薪をくべる作業を繰り返し繰り返し行っていました。その記録を藤田さんが逐一ノートに記しているのが印象的でした。このような記録を蓄積して、今後の作品作りに活かしておられるのでしょう。
薪を投入する際も、投入口の扉をすばやく動かして、できるだけ外の空気を窯の中に入れないように注意します。

私たちが訪れたのは、窯焚きが始まってから3日目の頃。窯の中の温度は1200℃を超えており、投入口の扉が開くと、離れていても中の熱気が迫ってきます。

最終的に1300℃まで穴窯の中の温度を上げるそうです。4日目、5日目の頃になると、10℃の温度を上げるのにもとても労力がかかるそうで、ピリピリと張り詰めた雰囲気の中で作業をしていくそうです。とても根気のいる作業です。
このような貴重な機会を与えて下さった藤田さん、本当にありがとうございました。
このような膨大な作業の結果から得られる陶器。
このような陶器が似合うような空間を作っていきたいなと思います。

2月 14

北鎌倉駅の小さな改札を出て通りを進むと最初に見えてくるのが円覚寺の入り口。
ここを通り過ぎて左手に見えてくる、長屋門のような入り口の建物が鎌倉古陶美術館です。

この美術館の建物は、福井県の150年前の蔵(総栗材)と同じく福井県の100年前の民家を移築・再生したもの(建物の詳細についてはこちら)。
長い年月を経てきた梁や柱が醸し出す贅沢な空間に、鎌倉時代を中心とした中世の古陶器が展示されています。私たちのお気に入りの場所の1つです。

昨年の11月にこの鎌倉古陶美術館を訪れた際に、館内ギャラリーで藤田満・純子さんの信楽焼展が行われていました。釉薬を用いない信楽焼の力強さを感じる作品に一目惚れしてしまい、気に入った作品どうしを見比べたり、手にとったりして感触を確かめたりしながら、色々悩んだ末に1つの花器を購入しました(上の写真)。
作品の細部には、本当に色々な魅力がつまっています。
鮮やかな”緋色”中に流れる青色の”ビードロ”

反対側は一転して溶岩を思わせるような荒々しい黒褐色の”焦げ”

ギャラリーにいらっしゃった藤田さんとお話をすると、この作品は”穴窯”と呼ばれる形式の釜で焼かれたものであり、その穴窯がなんと・・・、南房総にある!とのこと。
これには本当にびっくりしました!!
是非、その”穴窯”を見てみたい!ということで、次回はその”穴窯”訪問記です。

2月 07

冬の季節には、南房総の海岸から富士山を望むことができる日が多くなります。
色々な表情を見せてくれる富士山ですが、今日の夕暮時の富士山はまた格別でした。
雲ひとつない透き通った空の下、伊豆半島の天城山に沈む夕日の残光に優しく包まれた富士山の前には、穏やかな鏡ヶ浦の波。
少しずつ変化していく光の中で、こんな光景に出会えて本当によかったなぁと心から思いました。
Recent Comments