家族みんなで、水仙の里山ハイク。

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満開のスイセンの花(Narcissus tazetta)。

今年の冬の寒さの影響で、2月初旬でもこの状態(例年だと1月半ば頃までにはピークを迎えることが多いです)。

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場所は、道の駅富楽里から歩いてアクセスできる里山の中の水仙ロード。

地元の方々によって登山道が整備されています。ただいま、登山訓練中の娘もしっかりと自分の足で歩いていきます。歩ける距離が大分長くなってきました。

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ちょっと広いスペースがある土手の上で休憩。
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このおやつタイムが、比較的ゆっくり花を撮影できる唯一の時間。この時ばかりは、構図や露出に気を配りながら、じっくりと花の撮影に集中します。

土手の下には湧水がでており、大きな水たまりができています。早速その中を見てみます。
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すると水たまりの中には、ヤマアカガエル(Rana ornativentris)の卵塊がたくさん産み付けられています。これを観察するのは晩冬〜早春にかけての恒例行事。
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スイセンのお花畑の中に生えている樹木を見上げてみると、枝の先に何かついています。
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この樹木は、ハンノキ(Alnus japonica )。湿った場所に特徴的に見られる樹木の代表格です。

落ちていた枝を撮影したのがこちら。下に3つ垂れているのがハンノキの雄花です(たくさんの小さな雄花が集まっているので、専門的には”花序”といいます)。
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ここは頂上近くの斜面の上の方だったのですが、かなり広い面積にわたって、ハンノキが生える場所が広がっています。
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ちょっとおもしろい場所だなぁと思っていたら、その先の社にヒントがありました。
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この崖の露岩をよく見てみると、青い特徴的な模様の岩でできていることがわかります。
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これは蛇紋岩(Serpentinite)。風化すると保水性がある粘土質になりやすく、地すべりを形成しやすいことが知られている岩石です。おそらく、このような地質条件によって上のような写真の場所が形成されたと考えられます。

社の先からはまた、林の中を進みます。
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社の先には展望台があります。ベンチにすわって、休憩。
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広く、岩井低地を見下ろすことができて気持ちのよい場所です。奥の海は東京湾。
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低く刈り取られた日当たりの良い登山道に、ニオイタチツボスミレ(Viola obtusa)の花がもう咲いていました。鮮やかな紫色で、中心部の白い部分がくっきりとしているのが特徴です。
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バリアングルモニターでライブビュー撮影ができると、背丈が小さく、地面スレスレに花を咲かせるこのようなスミレも撮影がしやすいです。

この展望台から下りが始まります。

クヌギ(Quercus acutissima)やコナラ(Quercus serrata)などの落葉樹林のところには、登山道わきにスイセンが咲いていました。
日陰のスイセンは咲いたばかりでフレッシュな状態。
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下り道を歩くのは、まだ怖いらしく、娘を抱っこしながら、登山道を下ります。
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スイセンだけではなく、いきものや地質のみどころが満載の里山ハイク。みなさんも是非いかがでしょうか?

コメント

  1. 冬将軍 より:

    葉の落ちたハンノキと満開の水仙の対比がいい感じですね~。

    蛇紋岩は風化生成物の粘土も特徴の一つですが、超塩基性岩のため、地下水がアルカリになって独特の生態系をつくるのも特徴ですよね。

    とはいえ、湿地は逆に腐植酸などで酸性になる傾向が強いだろうし。。。

    果たしてこの水仙の下の土壌はどんな環境になっているのか?
    非常に興味がわいてきます(^^)

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